プロジェクト責任者からのご挨拶

令和4年6月10日

親愛的法友

お久しぶりです。初めましての方もいらっしゃいますね。鎌倉一法庵住職の山下良道です。今日は皆さまに、とても大事なお知らせがあります。

 我々はいま「新しい場所」を作ろうとしています。そこは最後の希望のより所になる場所です。苦しみに満ちた世界のなかで、どんなに望みを失ったとしても、ここに来れば再び生きる意欲が湧いてくる。前に向かって元気に歩き出せる。そういう場所を、この地上に出現させようと思ってます。

 その場所の名前は「裏磐梯一法庵」。裏磐梯とは、福島県会津地方の磐梯山の北側を指します。その自然豊かな場所に、新たな道場の建設を始めます。「一法庵」が2カ所になります。これまでの場所を「鎌倉一法庵」と呼び、これから作る所を「裏磐梯一法庵」と名付けます。二つの一法庵を、これからどうぞよろしくお願いいたします。

 一法庵の「一法」とはそもそも何でしょうか?英語は、One Dharma、ワンダルマ。

 いまから2500年前インドのシッダールタ王子(後の仏陀)は、人として避けることの出来ない「生老病死」の苦しみを乗り越える道はないのかと、6年間探し求めました。その果てにようやく見つけたのは、出口無しのように見えた世界から脱出する「非常口」。そこを通って苦しみのない世界(涅槃、極楽)に行くのが仏教のすべてです。

 その後、この真理の教え(仏教)は、インドからアジア各地に広まってゆくにつれて、各地域の文化に溶け合い、たくさんの伝統が生まれました。大きくは三つ。東アジアの大乗仏教、テーラワーダ仏教、チベット仏教。それは更に細かく分かれます。でも元々の教えはひとつ。その一つの教え=一法に戻ることが、一法庵の一丁目一番地です。

 私自身、日本の禅の伝統のなかで只管打坐の修行をしたあと、縁あってミャンマーのテーラワーダ仏教の瞑想修行もしました。二つの伝統にそれぞれ正式にコミットしたのは、もう運命としか言いようがない大きな力の働きでした。その果てに、伝統どうしの表面的な違いを超えて、一つの真理が見えてきました。それは非常口へ続くまっすぐな道でした。その具体的な道筋を「ワンダルマ・メソッドの瞑想」としてまとめました。この瞑想メソッドによって、誰もが非常口を見つけられます。苦しみの全くない世界へ確実にたどり着けます。でもそれには、ある程度、瞑想に集中できる期間と場所が必要。出来たら大自然のなかが理想的。まさにそれが出来るのが「裏磐梯一法庵」です。

 ここ数年の新型コロナウイルス、そしてウクライナ紛争によって、ますますこの世界が「火宅=火事で燃える家 」だと実感しつつあるでしょう。早く非常口を通って、安全な場所へ避難しましょう。今こそ、最後の最後の希望の灯火を、天高く掲げたいと思います。

 皆さまのご参加をこころからお待ちしています。 


<北塩原村桧原のオオヤマザクラの前にて>

山下良道 (ヤマシタ リョウドウ )鎌倉一法庵住職。スダンマチャーラ比丘。

東京外国語大学仏語科卒。
1983年 安泰寺にて出家得度し、曹洞宗僧侶となる。
1988年 アメリカのヴァレー禅堂にて海外布教活動を開始。イタリアを経由して帰国後、京都曹洞禅センター、渓声禅堂で坐禅指導。
2001年 ミャンマーのパオ森林僧院にてテーラワーダ仏教の比丘になり、パオ瞑想メソッドを終了。
2006年 スリランカ、ネパールを経由して帰国。
それ以降、鎌倉一法庵を拠点として、日本各地とインドで瞑想指導。

現在の立ち位置は「ワンダルマ仏教僧」

著書

共著